今こそ欧米豪からの旅行者受入強化をー 東アジア観光依存からの脱却が急務

お知らせ

【新型肺炎で観光産業に大打撃】

新型コロナウイルスの感染拡大で、好調だった日本の観光が大きな打撃を受けている。
1月27日から中国政府が海外への団体旅行を禁止し、現在は最大の割合を占めている中国人客が2月から減少傾向となることは間違いない。
また、日本政府観光局(JNTO)が発表した2020年1月の訪日外国人客数(推計値)は、新型感染症の影響を大きく受ける前にも関わらず、前年同月比1.1%減の266万1000人で、前年を下回るのは4カ月連続。
日韓関係の悪化を受け、韓国からの訪日客数が59.4%減と、大幅に減少したことが影響した。
長らく東アジアへの旅客依存を続けてきた日本の観光産業が傾き始めている。

その一方で、注目したいのが、欧米豪からの旅行客。
欧米豪客は前年同月比11.9%の伸び率で、特に注目したいのが豪州からの客数で、2020年1月の結果は前年同月比 5.2%増の 85,300 人、単月として過去最高を記録している。
ラグビーワールドカップ2019日本大会の開催を契機に好調な伸びを示している。
今こそ東アジア依存から欧米豪へのシフトチェンジをするべきではないだろうか。

【欧米豪の消費傾向に注目】

実は、欧米豪の旅行客が集まっている理由が「個人体験」にある。
東アジア圏からの旅客と欧米豪からの旅客は、消費活動に違いがあり、中国人を中心とした東アジア客の訪日の目的は「ショッピング」。中国人が団体バスで乗り付けて「爆買い」する光景はたびたびメディアを賑わせてきた。
他方、欧米豪客は滞在が2週間ほどの長期に渡ること、また団体ツアーよりも個人旅行であることも相まって、「飲食(日本食)」や「体験・アクティビティ」が訪日目的上位である。
ここだけでしか体験出来ない、ここだけでしか食べることが出来ない、という付加価値や魅力を感じると、ハイエンドでも購入につながり、ローカルエリアへも足を運ぶ傾向にあるのが欧米豪客である。

そこで、欧米豪からの旅客受入の鍵になりそうなのが「日本食体験(フードエクスペリエンス)」である。
農林水産省が「食かけるプロジェクト」という企画を立ち上げ、食体験市場の活性化とそれに伴う日本産農作物の輸出拡大施策に力を入れ始めるなど、フードエクスペリエンスはインバウンド業界で注目されているコンテンツである。

フードエクスペリエンスプラットフォーム「byFood.com(バイフードドットコム)」を運営する株式会社テーブルクロスの代表である城宝薫は、欧米豪客についてこう分析する。
「私たちは欧米豪のお客様に向けて、日本食体験の予約販売を行っていますが、1月は前年比200%以上の予約数の増加で、今回の新型コロナウイルスの影響での予約キャンセルは数件しかありませんでした。実際に観光地を訪れても、中国人客の減少は感じますが、欧米豪のお客様はたくさん来られています。つまり、欧米豪客数にはそこまでの影響は出ておらず、今後も堅調に推移する可能性もあります。」

同社には、中国や韓国からの旅客減少を受け、対策を模索する事業者からの問い合わせが相次いでおり、グルメツアーやテイスティングイベントなど、日本各地に欧米からの旅行客を誘客出来るようなヒット商品を企画し続けている。

東アジア圏からの旅客受け入れだけでなく、より幅広い国からの訪日客受け入れに繋げるためにも、個人体験というコンテンツに目を向け、今一度、観光立国ニッポンとして業界再燃を期待する。

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